造形的な形、魅惑の色。美を求める人々の情熱により胡蝶蘭は美しく磨き上げられてきた。目をこらして、その姿をよく見つめてください。不思議な魅力を持つ花です。前に突き出た「唇弁」を囲むように、「花びら2枚」が左右に、そして上に1枚・下に2枚「計3枚のがく片」がついていることが共通しています。けれど、ひとつとして色・形・大きさ・香りが同じものはありません。実は、ランは種類がとても多く、原種だけで約750属、3万5000種類もあるといわれます。現在も、世界各地で新しい原種が発見されていますし、世界中のラン園等では、続々と交配(新種の開発)が行われています。近年では異なる属との交配も行われ、新しい属も人工的に登場してきています。ランは植物界でも特別バラエティ豊かな植物なのです。分布地も文字通り、世界中にわたっています。ランは熱帯・亜熱帯だけの・ものだと思ってはいませんか。極寒の地グリーンランドにも、海抜4000メートルの高地に自生している強者のランがあるというのだから驚きです。形態も様々で、樹と見まがうような5メートルを超えるものから、苔のように小さく、花は虫限鏡で拡大しない限り見えないものまであります。そんな種類が豊富なランの中でもひときわ輝きを放つのが「胡蝶蘭」でしょう。
ランには非常に多くの種類が存在しますが、どのように根を張って生きているかということで名称が異なります。その生え方により「着生ラン」と「地生ラン」とに分けられます。「着生ラン」は、樹の枝や幹や岩肌などに、張りついて生えているランです。あくまで樹の表面に張りついているだけ。樹にぶらさがるように、根を空中に垂らしているものもいます。根っこを樹の中にもぐりこませて、樹の養分を吸い取る寄生植物とは違いますので、誤解のなきよう。着生ランの代表は、‘カトレア、デンドロビューム、ファレノプシス、オンシジュームです。それにしてもこれらのランはなぜ、着生しているのでしょう。まずは日当たりの問題。これらのランが自生する熱帯雨林では、樹木の葉が幾重にも重なり合っています。地表に生えていたのでは、いくら首を伸ばしたところで、茂った葉に遮られ、お日様の光はなかなか拝めません。地表自体にも問題があります。熱帯雨林には害虫や病原菌が多く、その多くが地表近くに生息しています。おまけに、雨が多いために土地の養分は流されて痩せていますし、ラン以外にも地表には様々な植物が密生しています。さらに着生ランの多い地域は、雨季と乾季があるところが多く、乾期は地表では水が不足するというデメリットもあります。
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